震災復興を成功させる前提

今、復興ビジョンが大切になってきているタイミングで、復興を成功させる
前提を考えておく必要があります。

以下の点が復興における留意点として浮かび上がります。

(1)日本政府はじめ懸命の救援と復興へ向けての活動が展開されているが、日本政府だけでは限界がある。また、これは日本が主体として復興を推進するとしても、日本だけの力では、復興の成功や円滑な再建は困難。

(2)震災の救援活動を通じてグローバル化の明るい面、心強い面が明確になる。(国際的な支援が自発的に展開された。組織としても、個人としても自発的に支援を行なっている。例えば最近ではイスラエル医療チームによる南三陸町への支援等)

(3)復興国債が発行された場合、既に国債発行残高が約1000兆円という状況であるため、日本
の信用不安が発生する可能性がある。自然災害(原発事故という人災的側面も含む)→金融不安へと繋がるシナリオは復興の大きな障害となる。また、経済的不安を一層加速させることになる。
何としても回避したいシナリオである。

(4)復興における日本のメリットは、イラク等の復興に比較して、政情安定性、社会の成熟性(秩序が維持されていること)が相対的に高いこと。

上記の前提を考察すると復興成功のポイントは、次のようになります。

(1)グローバル(国際的)な支援を活用しながら、復興支援を推進していくこと。

(2)国際社会(特に金融界)で、日本の震災復興ビジョンが魅力的なものになるようにしていくこと。
(国際的な金融界を失望させてはならない)

(3)世界中の英知を結集して未来に繋がる、期待を起こさせるような復興ビジョンこそ肝要。

(4)国際社会を復興のプレイヤーとして積極的に参画できるような道を整えること。

日本は超少子高齢化社会という点で世界の中で課題先進国と考えられていましたが、自然災害リスク+先端技術リスクの点で課題先進国であったことが明確になりました。超少子高齢化社会への対応の前に解決すべき課題が浮上したのです。

課題先進国として(1)世界の注目を集めること、(2)課題解決の面で世界の先導モデルとなること
(3)そのような仕方で世界中から魅力的な存在としての日本となること、が提唱されて久しいですが、少なくとも(1)の面は、実現しています。

今後、(2)、(3)の側面がますます重要になってくることでしょう。
優れたマクロのビジョンが、ミクロ、個人の経済的見通しや生計見通しに繋がっていくゆくのだと感じます。

一日も早い復興を祈っています。

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