成長センス

「こうして、《歩く一族》は、ほとんどだれも失うことなく《大いなる乾きの地》を越えた。しかし、この旅では大きな学びがあった。これほどの乾きを見たことのある者がほとんどいなかったため、水や食料をどれだけ使っても大丈夫なのか、だれひとり知らなかったからである。

そして一族は、これまで代々、帰ってきた《ものみたち》から学んだすべてをもってしても、まだ十分ではなかったことを思い知った。なぜなら、われらの古い生き方、想いと学びを集中する由緒ある方法が一瞬のうちにかき消えて、一族はこの新しい世界に裸で立ち尽くしていたからだ。そこで、彼らの間に大きな決意が生まれ、次のような言葉をつねづね互いにかけ合う習わしができて、いつしかそれが旅の歌となった。

「目がさめているあらゆる瞬間から学ぼう。眠っているあいださえ学ぼう。学びながら、兄弟が歩くところを見守ろう。彼が石ころだらけの険しい道を選んでも-」

こうして《大いなる乾き》を越えた一族は、ついに西の山並みにたどり着き、そこで小さな沢を見つけた。それはようやく一行を支えられるかどうかの頼りない沢だったが、体力を取り戻す必要のあった彼らはそこにとどまった・・・。」

・・・ポーラ・アンダーウッド「ネイティヴ・アメリカンの口承史-一万年の旅路」(星川 淳=訳)「大いなる渇きと一族がいかにして新しい道を学んだか」より。


あらゆる瞬間が成長の機会となるように働く感覚=成長センスを一人一人に育てたい・・・、それがわたしたちの願いです。