復興ビジョンを考慮していく上でのポイントを考慮してみたいと思います。
一つは資金です。計画避難者の方をはじめ、被災者の方々は、生活や事業再興のために
資金を必要としています。一方で、義援金は過去最大のスケールであるにも関わらず、様々な補償金と併せても不足するのではと考えられている状態です。
限られた資金のため、被災者への配分に関しても慎重を期しています。
国内の状況を見ると資金が不足との感が否めないのですが、一方、グローバル(世界)という見地
から考えるとどうでしょうか?
ヨーロッパ各国で連鎖的に生じているソブリンリスクの対応や、現在生じている様々な金融危機のきっかけとなったリーマンショックへの対応等で、金融緩和が進み、資金が溢れている状態です。
量的緩和の結果生じた溢れるほどのマネーは、有望な投資先を探しているのです。
復興ビジョンが量的緩和で発生したマネーの有望な投資先としての魅力を高めるものであれば、
復興プランにおける資金面の目処はつきやすくなることでしょう。また、十分な支援も行いやすく
なることでしょう。
ですから、救援活動に注力すことと並行して魅力的な復興ビジョン、世界中の人が救済ではなく、
投資先として考えられるようなエリアを目指すことが肝要です。
また、各国の様々な機関からの支援を通してグローバルに貴重なネットワークが広がりました。
復興ビジョンは、受けた支援に対する恩返し的な側面を持つと、更に建設的な関係構築と、将来の
共栄に繋がっていくことでしょう。
まさに、次の格言の通りです。
There is more happiness in giving than there is in receiving. (Acts20:35)
(受けることより、与える方がより一層幸福です)