立ち往生した馬が御夫にしたたかに打たれるのを目撃したニーチェは馬に駆け寄り、馬を抱き、昏倒する。  ニーチェはキリスト教と闘いました。  永井均さんがどこかでこう言っていました。DVDで「ニーチェの馬」を観ました。
 目覚めて、語った言葉が、「母さん、私は愚かでした」。
 そして、そのまま発狂。
 10年の介護生活の後に死去。その有名なエピソードに出てくる<馬の後日談>を描いた映画です。
 これは一種のホラーだと思いました。
 そして、人類の歴史そのものがある種のホラーなのだということが、タル・ベーラ監督の言いたかったことなのではないかとも。
 ということは、キリスト教が悪と闘う、その闘い方と闘った、ということです。
 つまり、彼はそのようにして悪と闘った。
 「ニーチェがなぜ発狂したかと問うてはならない。
 彼はただ狂ったのだ。」