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新しいマネジメント像

企業の管理職にある人は、通常、自らが自律的に創造した重い使命感をエンジンにして動いているわけではありません。
あくまで、外部(トップマネジメント)から与えられた他律的な戦略を履行している。
しかし、それを実現するためには、そうした外部的なもの、他律的なものを真に受けて内面化し、当事者に成り果(おお)す必要がある。
ここに一つのアクロバシーが存在します。

外部的なもの、他律的なものを、<真に受ける>ためには一種の「軽み」が必要です。
一方そういう外部的なものを、<内面化する>ためには「真摯さ」が必要です。

そういう「軽み」と「真摯さ」の両立、というより「統合」。
ここにもう一つのアクロバシーが要求されます。

昨今の管理職はこうした二重のアクロバシーを演じなければならない。
もはや、「モードで仕事をする」だけでは足りない。
「仕事に全人格を関与させる」必要があるからです。

こうしたことは、ちょっと前まではトップ・マネジメントにだけ要求されていたことです。
つまり、「マネジメント」の中身が「管理」ではなくて「経営」に近くなってきたということでしょう。
元々、このManagementという言葉にこういう両義性があるということ自体が興味深い。
そう思います。

昨今のドラッガー・ブームもこうした変化と同期を取っているのでしょう。
彼のいう「マネジメント」は「管理」ではなくて、「経営」に近い概念ですから。