「未来の記憶をつくれ」
(苫米地英人「まずは親を超えなさい」より)
苫米地さんはちょっと怪しげな「脳機能学者」。
ルー・タイスのコーチングメソドなども教えています。
「まずは親を・・・」もケレン味満載の本ですが、中身は意外と健全でまっとうです。
脳科学的にいうと「思考とは記憶の参照」です。
ということは「思考とは過去の参照」であるということになります。
だから、思考は常に過去の経験に引きづられてしまう。
そこから脱するためには、「未来」に属する自分のゴールを明瞭にイメージすることが肝心だと彼は言います。
そのゴール(=「未来」)を「過去の記憶」以上に鮮明する。
「未来のイメージ」を「過去の記憶」を凌駕する程までにビビッドにする。
そうすると、過去(の記憶)に引きづられていた思考が、未来(のイメージ)に引きづられるようになる。
現在が過去に引きづられるのではなく、未来に先導されるようになる。
苫米地さんはそうした一連の議論を「未来の記憶をつくる」と総称しているわけです。
なかなかいいフレーズです。
自分だったら、大震災の後の瓦礫の山の前にして、どんな「未来の記憶をつくる」ことができるか?
どんなゴールを構想することができるか?
それほどまでに自分は十分タフだろうか?
学生時代に諳(そら)んじてしばしば暗誦した岸上大作の次のような現代短歌を思い出しました。
「両側の腕に支えられ繰り返す
若者よ、体を鍛えておけ」