「君はもうすぐ82歳になる。
身長は6センチ縮み、体重は45キロしかない。
それでも変わらず美しく、優雅で、いとおしい」
(アンドレ・ゴルツ)
アンドレ・ゴルツの「労働のメタモルフォーゼ」は名著です。
彼はこれを不治の病をえた妻ドリーヌへの最後のラブレターとして書きます。
そして脱稿後、妻に勧められてその出版に同意します。
2007年出版。
さらにこう続きます。
「僕たちは一緒に暮らし始めて58年になる。
しかし、今ほど君を愛したことはない。
僕の胸のここにはぽっかりと穴が空いていて、僕に寄り添ってくれる君の温かい身体だけがそれを埋めてくれる。」
その後、ドリーヌは死去。
ゴルツは後を追って自殺。
フランス国民は、この事件をゴシップ扱いしなかったとのこと。