「歳をとってみないと分からないことがある。
それは、「歳をとっただけでは人間は成長しない」ということである。」
(内田樹、「老いの手柄」より)
私の場合は、そのことにはずいぶん早くから気づいていたような気がします。
「加齢と成熟」とは異なるということ。
それは一つには、自分の身内に納得いく「成熟」モデルがなかったことが大きい。
つまり、このまま自分が自分の身内の年齢になったときになれるであろう自分のレベルというものに、ずいぶん早くから失望していたということです。
同時に、「成熟」の可能性に対する確信とそれへの憧れも人一倍強かった。
それもあったと思います。
とはいえ、今やそうした早熟的認識のアドバンテージはもはや使い尽くされてしまった感あり。
困ったものです。
あらためて、「加齢と成熟」を隔てる壁を凝視し、それを乗り越えていかねばなりません。
現役の「アラカン」(アラウンド還暦)として。