「機械との競争」


「機会との競争」(エリック・ビリニョルフリン、アンドリュー・マカフィー著)を読了。

テクノロジーが雇用を奪うという現象は今に始まったことではありません。
両者は常に「競争」してきた。
ラッダイト運動(イギリスで19世紀初頭に起きた、機械破壊運動)は有名ですね。

とはいえ、結果的には両者は常にある種の均衡点に達した。
しかし、コンピュータライゼーションはあまりに「早すぎ」て、破壊を「創造的破壊」に転じることが今までになく難しくなっている。
そのことをとても分かりやすく論じています。

ではどうすればいいか?
Plan1:コンピュータが苦手なことが得意な人材になる
コンピュータが苦手なのは、創造的であることと肉体労働(ここで「肉体労働」が出てきたところにキョを突かれました)。
逆にコンピュータが得意なのは「規則に従うこと」。
だから「規則」=手順の学習に長けている人は「機械との競争」に決して勝てない(なるほど!)。

Plan2:コンピュータと「共闘」すること。
「機械と競争」しないで、それを使って一緒に闘う。
コンピュータがチェスで名人を破ったということはよく知られています。
しかし、その後、チェスで一番強いのは、人間でもコンピュータでもなく、コンピュータを使ってプレイする人間。
つまり人間とコンピュータのチームが一番強い。
今ではそうなっていることはあまり知られていない(ウン、知らなかった)。

私にとっては、「覇者の未来」(デビッド・C・モシュラ著、1997年)がテクノロジーを文明論レベルで読み解く際の出発点となった本でした。
「覇者の未来」が「未来」と呼んでいたのは、「2010年までの未来」でした。
まさしく、♪あの頃の未来に僕らは住んでいる♪わけです。

そろそろ自分が生きている時代についてのパースペクティブを更新する時期が来ているのかもしれません。
いい刺激になりました。

エリック&アンドリュー、Thank you!

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